こんにちは!大学院生のみどリンです!
近年、プラスチックごみが環境問題を引き起こしているというニュースをよく目にしますよね。
でも、
「いろいろ騒がれているけど、いまいち実感がわかないな」
「このままだとどうなってしまうのかイメージできないな」
というように、プラスチック問題についてよく理解できないと感じる人も多いのではないでしょうか?
そんな人に向けて、今回の記事では、プラスチック問題の現状と未来予測について、世界一わかりやすく解説します。
この記事は以下のような人におすすめ!
• プラスチック問題の現状について、具体的に知りたい
• このままだと、近い将来どうなってしまうのか知りたい
ただ、未来を予測することってなかなか難しいですよね。
そこで今回は、理系大学院生の私が、科学論文のデータを引用しながら、最新の情報をわかりやすく説明します。
この記事を読めば、プラスチック問題について最新の情報を得ることができ、身近な問題に感じることができます。
それでは始めましょう!
「プラスチック」とは
そもそもプラスチックとはどのような素材なのか。
それは、ずばり「自由自在に形を変えられる神素材」です。
プラスチックは、鉄・セメントと並ぶ世界三大材料の一つ。
語源は、ギリシャ語の「plastikos」で「形を作る」という意味です。
様々な形に変形できる材料を指す言葉として使われていました。
構造としては、炭素が鎖のように連なっているのがポイント。
軽い、柔らかい、透明、頑丈、そして安価に生産できることから、日常生活において広く使用されています。
原油からナフサに精製され、プラスチック素材となります!
現状
プラスチック生産量・流出量
世界のプラスチック生産量は年間3.9億トン、なんと富士山1つ分。(PlasticsEurope, 2022)
日本だけで見ると、プラスチック生産量は年間1,280万トン、ピラミッド5個分です。(プラスチック工業会、2022)
一方で、海洋に流出するプラスチックの推定量は、世界で年間1100万トン=ピラミッド5個分。
日本だけでも20万トン(スカイツリー6個)流出しています。(Lebreton, L.C.M. et al., 2021)
アジアの国はプラスチックの消費量が多いため、 海洋への流出量も多くなっています。
生物への影響
海洋生物がプラスチックを誤飲してしまい、窒息死、内部損傷による衰弱が報告されています。
さらに、消化器系が詰まることで栄養失調となるケースもあります。 (Wilcox, C. et al., 2015)
人体への影響
日常生活で取り込むプラスチック量は、1週間あたり5 g、クレジットカード1枚分という報告があります。(WWF/University of Newcastle)
さらに、飲料水・人間の糞便や血液中からマイクロプラスチックが検出されています。(Schwabl, P. et al. 2021、Liu, K. et al. 2020年)
具体的な健康被害はまだ報告されていないけれど、
既に私たちの体はプラスチックに侵されています(泣)
未来予測 ~2030年はどうなっているか~
このままプラスチック環境問題が深刻化すると未来はどうなってしまうのでしょうか。
2030年をイメージしてみましょう! ※下記はの内容はあくまでも予測です。
海洋生物の絶滅の増加
海洋生物の約60%がプラスチックの影響を受け、その生息地が大幅に減少します。(Lebreton, L. et al., 2021)
主な原因は、プラスチックは海洋表面に浮遊しやすく、絡みやすいため。
生物が本来の生息地を見失ったり、その生物の行動や移動が妨げられてしまうことから、生息地の減少に繋がると考えられています。
また、マイクロプラスチックが生物の体内に取り込まれることで、その生物をエサとする生物の栄養バランスが乱れ、さらにその生物をエサとする生物の栄養バランスも崩れ、、、が繰り返されます。
これにより、食物連鎖の崩壊が進んでしまいます。(Cózar, A. et al., 2020, Nature Communications )
安心してお寿司を食べることができなくなる未来も、割と近いのかもしれません。
農作物の品質低下と食料危機
世界の農地の約15%が土壌汚染や害虫被害の影響を受け、食糧生産に深刻な支障が生じます。(Zhu, D. et al., 2018)
具体的には、マイクロプラスチックが土壌中に混入し、栄養素の吸収を妨げたり、土壌の排水性を損なうことが考えられます。
また、プラスチックが水溜りやごみの中で蓄積されると害虫や病気の発生源となり、作物の収穫量や品質が低下する可能性があります。
健康被害の増加
プラスチック製品に含まれる有害物質の摂取が増加することで、がんの発症率、神経障害の発症率が増加します。
例えば、内分泌攪乱物質はホルモンバランスを乱してがんのリスクを高め、フタル酸エステルは神経発達に悪影響を及ぼし、ビスフェノールAは神経細胞の発育や機能に影響を与えるとされています。
社会全体の医療負担が増大し、健康に関する社会的問題が深刻化する可能性もあります。
まとめ
① 世界で年間1100万トン(ピラミッド5個分)のプラごみが海洋に流出している。
② 私たちも既に大量のプラスチックを摂取している。
③ このままだと、2030年には、生態系の崩壊、食糧危機、健康被害が深刻となる。
具体的にイメージすることで、身近な問題に感じてもらえたら嬉しいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。